湿疹、じんま疹、帯状疱疹など、何でもご相談下さい。
詳しい検査が必要な疾患では、設備の整った総合病院を紹介します。

対象疾患について

アトピー性皮膚炎

痒みを伴い慢性的に経過する皮膚炎(湿疹)です。その根本には皮膚の生理学的異常(皮膚の乾燥とバリアー機能異常)があり、そこへ様々な刺激やアレルギー反応が加わって生じると考えられています。慢性疾患ですが、適切な治療をきちんと受ければ、いずれ治ったと同様の状態になることが期待されます。
外用薬としては、ステロイドの塗り薬と免疫抑制薬の塗り薬(免疫抑制外用薬)があります。ステロイドの塗り薬は、炎症を強く抑える作用を有し、免疫抑制外用薬は、過剰な免疫反応を抑制します。
ほかに、痒みを鎮めるために抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を補助的に用いたり、他の治療でなかなか良くならない重症の成人患者様では、ステロイド薬の飲み薬やシクロスポリン(免疫抑制薬)の飲み薬を服用したりすることがあります。

帯状疱疹

痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の初感染では水痘(みずぼうそう)になりますが、この時に主に皮膚にでた発疹から神経を伝わって所属の後根神経節内にウイルスが潜伏するといわれてます。後根神経節内に潜伏感染していたウイルスが何らかの誘因で、再活性化して発症するのが帯状疱疹です。誘因として過労や悪性腫瘍の合併を含めて宿主の免疫機能の低下、手術や放射線照射などがあげられます。ウイルスが再活性化されると神経節内で増殖し、知覚神経を通って表皮に達し、表皮細胞に感染しそこで更に増殖して、赤い丘疹や水疱が神経の走行に沿って帯状に出現します。他のヒトから感染して帯状疱疹になるわけではありません。

脂漏性皮膚炎

脂腺の多い頭部や顔、胸背部などにできやすい湿疹です。新生児や乳児に多く見られますが、大きくなるにつれて自然にできなくなってきます。
一方、中高年の場合、頭、顔、耳にフケがしつこく出て、痒みもあります。皮脂成分の質的異常や皮膚機能の老化が関係しています。でんぷう菌(マラセチア)の感染が関与することもあります。治療は、しっかり洗うのが基本で、ステロイド軟膏とでんぷう菌に効く抗真菌剤を塗ります。

じんましん

通常は、痒みがあり、丸っぽい形をし、わずかに盛り上がったみみず腫れが数分~24時間以内にできては消えていきます。多くは痒みを伴いますが、チクチクとした痛みや、熱く焼けつくような痛みが生じることもあります。
4週間以内に治るものを急性じんましん、それ以上の期間にわたって断続的に発症するものを慢性じんましんと呼びます。

足白癬

足白癬は、足の裏に小さな水膨れが生じ、水膨れが破れると皮が剥ける小水疱型(汗疱型)と足の指の間の皮が剥けたり、白くふやけたりする趾間型、ヒビ、アカギレのように足の裏全体が硬くなる角質増殖型に分類されています。ただし角質増殖型は稀な病型です。小水疱型や趾間型は、季節的に暖かくなると症状がでて、涼しくなると自然に症状が治まってきますが、角質増殖型は季節的変動がなく、むしろ冬期にはひび割れて痛いこともあります。角質増殖型の足白癬は爪白癬(爪の水虫)を合併していますが、小水疱型、趾間型の足白癬は長い間治療せずに放置していないと爪白癬を合併することはありません。