Vビーム・ノーリスを用いた赤ら顔・毛細血管拡張症・血管腫・静脈湖の治療
大阪市北区・天神橋筋六丁目(天六)駅すぐのかもがわクリニックでは、赤ら顔(顔の赤み)や毛細血管拡張症、血管腫(赤あざ)、静脈湖といったお悩みに対し、最新のVビームレーザーとIPL光治療器「ノーリス」を用いた安全で効果的な治療を行っています。ここでは両機器の特徴や仕組み、各症状への有効性、治療の安全性・副作用、必要な治療回数の目安、費用と保険適用、そして患者様のよくある質問への回答をご紹介します。
Vビームレーザーとノーリス(IPL)の特徴と仕組み
Vビームは595nmの波長をもつ色素レーザーで、血液中のヘモグロビン(赤い色素)に選択的に吸収されることで異常な血管を破壊できる機器です。皮膚の奥深くまでエネルギーが届き、照射された血管内の赤血球が熱変性を起こすことで不要な毛細血管を塞ぎます。正常な血管にはほとんど作用せず、周囲組織を傷つけないのも特徴です。また照射部位を冷却ガスで保護するシステムを備えており、痛みは輪ゴムではじかれる程度で基本的に傷跡も残りません。一方、ノーリス(Nordlys)はIPL(Intense Pulsed Light)と呼ばれる光治療器です。レーザーとは異なり500~1200nmの幅広い波長の光を照射でき、フィルターを調整することで様々な肌の症状に対応します。赤いヘモグロビンにも反応する光のため、毛細血管の拡張による赤みを収縮させる効果が期待できます。さらにメラニン色素にも作用するため、美肌効果(シミの改善や肌質改善)も同時に得られる点がレーザーとの違いです。
VビームとIPLの違いは、簡単に言うと「強力さと即効性のVビーム」対「肌にマイルドでダウンタイムの少ないIPL」という点です。Vビームは血管病変の治療に特化して効果が高く、照射回数を比較的抑えられますが、その分施術後に赤みや内出血(紫斑)が出ることがあります。IPL(ノーリス)は照射エネルギーがマイルドでダウンタイムがほとんどない代わりに、効果を得るには回数を多く要する傾向があります。ノーリスは特にパルス幅(光の当て方の長さ)を細かく調節できるのが強みで、1.5ミリ秒といった極めて短いパルス幅で血管に効果的な照射が可能です。そのため従来のIPLでは難しかった毛細血管拡張の治療でも高い効果を発揮し、機器自体に強力な冷却機能を要しない設計で肌への負担を減らしています。実際、ノーリス(Nordlys)は日本で初めて血管病変治療で薬事承認を取得したIPL機器であり、安全性と効果が公式に認められています。
当院ではVビームレーザーとノーリスIPLの両方を導入しています。それぞれの長所を活かし、患者様の症状や肌質に応じて使い分け・組み合わせを行うことで、赤みのお悩みに最適な治療プランをご提供いたします。
対象症状と治療効果(赤ら顔・毛細血管拡張症・血管腫・静脈湖)
Vビームは赤みの原因となる異常な血管に直接作用し、毛細血管拡張症や赤ら顔、ニキビ跡の赤み、赤あざの治療に高い効果を発揮します。ノーリス(IPL)も血管の拡張に起因する赤みに有効で、特に肌全体のほんのりした赤みの改善や肌質の向上に適しています。以下に当院で治療可能な主な症状について、それぞれVビームおよびノーリスでの治療有効性を解説します。
赤ら顔・酒さ(しゅさ)
顔全体が常に赤みを帯びてしまう赤ら顔(酒さ)は、皮膚の毛細血管が拡張しやすく炎症を起こしている状態です。塗り薬や飲み薬での治療も行われますが、それだけでは限界があり、レーザーや光治療によるアプローチが効果的です。従来、このような赤ら顔治療にはVビームが用いられることが多いですが、強力なレーザーであるため敏感な酒さ肌には負担が大きく、「照射後によけいに顔が赤く腫れてしまった」「内出血がなかなか引かない」といった声もあります。一方でIPL(ノーリス)はマイルドな光治療のためダウンタイムが少なく、顔全体にぼんやり赤みが広がる日本人の酒さにも適した治療法とされています。海外のガイドラインでも酒さ治療にVビームとIPLは同等の選択肢と位置づけられており、安全性の面からIPLを推奨する意見もあります。当院でも赤ら顔の程度に応じてIPLから治療を開始し、必要に応じてVビームを追加するなど、肌への負担を最小限に抑えつつ赤みを改善していきます。赤ら顔の改善には複数回(目安5~10回程度)の継続治療が必要ですが、回数を重ねるごとに毛細血管が縮小し、赤みが和らいでいきます。
毛細血管拡張症
ほほや小鼻に網の目状に現れる細かな血管拡張(いわゆる毛細血管拡張症)は、自然に消えることがなく残ってしまうことが多い症状です。放置しても治らないため、レーザーで異常な毛細血管を収縮・破壊する治療が有効です。Vビームはまさにこの用途に開発されたレーザーであり、少ない回数の照射で赤みを大幅に減らすことが可能です。実際、症状にもよりますが1~5回程度の照射で毛細血管拡張症が改善するケースが多く、細かい血管であれば1回のVビーム照射でほぼ目立たなくなる例もあります。当院のVビームは厚労省認可の医療用レーザーで、こうした毛細血管拡張症の治療は保険適用も認められています。医師が毛細血管拡張症と診断した場合、公的医療保険により患者様の自己負担は3割(条件により小児は公費助成)で治療可能です。一方、肌全体に散在する細かな赤みにはノーリスによるIPL照射も有効です。ノーリスは広範囲を一度に照射できるため、鼻周りの細かい血管が多数集まった赤みにもアプローチできます。ダウンタイムを避けたい場合や、同時に美肌効果も得たい場合にはIPL治療を選択することで、日常生活に支障なく徐々に赤みを軽減できます。
血管腫(赤あざ)
先天性の赤いあざである単純性血管腫(いわゆる赤あざ・ポートワイン母斑)や、生後まもなく出現する乳児血管腫(いちご状血管腫)、加齢に伴う老人性血管腫(赤いほくろ状の腫瘍)も、Vビームレーザーの重要な適応症です。Vビームは異常な血管にのみ反応して選択的に作用するため、これら血管性のあざ・腫瘍に対し高い治療効果を示します。特に乳幼児の浅い血管腫では皮膚が薄いこともあり、少ない回数で劇的に改善するケースも報告されています。一方、成人の皮膚にできた赤あざは完全に消すには複数回の照射が必要で、照射のたび患部に紫斑(内出血)が出る強めの治療となります。それでも大人の赤あざでも4~10回程度の照射で大きく薄くすることができ、治療を重ねることで日常的に目立たないレベルまで改善が期待できます。老人性血管腫(いわゆるチェリーアンジオーマ)のような小さな赤いホクロ状の病変であれば、Vビーム照射により1~2回で除去可能です。なお、単純性血管腫や乳児血管腫、症状の強い血管腫症(Sturge-Weber症候群など)に対するレーザー治療は保険適用となります。保険適用の場合、照射は規定の間隔で行う必要がありますが、自己負担を抑えて継続治療が可能です。
静脈湖(唇の青いできもの)
静脈湖は主に唇にできる青紫色の小さな血管腫で、拡張した静脈が血液をうっ滞させてできる良性の腫瘤です。見た目以外の症状は通常ありませんが、噛んでしまうと出血したり、血栓ができて痛むことがあります。静脈湖の治療には従来、外科的切除も選択肢でしたが、当院ではレーザーによる切らない治療が可能です。Vビームレーザーを病変部に照射すると血管内で血液が凝固し、数週間かけて瘤が縮小・消退します。実際に1回のVビーム照射で6ヶ月後には完全に消失した症例も報告されており、麻酔の必要もなく傷跡もほとんど目立たないことからレーザー治療が第一選択となっています。膨らみの強い静脈湖の場合は、照射後一時的にかさぶた状になったり浸出液が出ることもありますが、約2週間でかさぶたが取れて綺麗に治癒します。大きい症例では2~3回の照射が必要な場合もありますが、メスで切開するよりもダメージが少なく安全に治療できる点がメリットです。
Vビーム・ノーリス治療の安全性・副作用とアフターケア
レーザー治療に不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、当院で採用しているVビームとノーリスはいずれも厚生労働省に認可された高い安全性をもつ機器です。施術は経験豊富な医師が行い、適切な出力設定で照射するため、深刻な副作用の心配はほとんどありません。Vビーム照射時には冷却ガスで皮膚表面を保護しながら行うため、痛みは最小限に抑えられます。それでも照射部位によってピリッとした刺激を感じる場合がありますが、必要に応じて表面麻酔クリームを使用するなどして負担軽減に努めています。
主な副作用としては、Vビームの場合は照射後に患部が一時的に赤くなったり腫れたりすることがあります(数時間~数日で軽快)。また照射条件によっては紫斑(内出血)が生じることもありますが、こちらも1~2週間ほどで消えていく一時的なものです。特に赤あざ治療など高出力・短パルスで照射した場合は紫斑が出やすく、一時的に肌が褐色っぽく見えることもありますが、通常3ヶ月以内に落ち着きます。顔全体の赤ら顔治療では出力を抑えて照射するため内出血は起こりにくく、ご安心ください。ノーリス(IPL)の場合は非常にマイルドな光治療のため、照射後に軽いほてり感や赤みが出る程度で、ダウンタイムはほとんどありません。超敏感肌の方でも施術しやすい安全設計となっています。
治療後は、当日中の長時間の入浴・激しい運動・飲酒は控えていただき、施術部位をこすらず清潔に保ってください。稀に照射翌日に赤みが強まることがありますが、その場合は冷やしたタオルで優しく冷却し様子を見てください。医師から軟膏など処方された場合は指示通りに使用しましょう。またレーザー・光治療後の肌は紫外線の影響を受けやすいため、日中は日焼け止めを塗るなど紫外線対策をお願いいたします。適切なアフターケアを行うことで、副作用のリスクをさらに減らし、治療効果を高めることができます。
Vビーム・ノーリスの治療回数・期間の目安
赤み治療は1回で終わりというよりも、数回にわたって徐々に改善させていく治療です。症状や範囲によって必要回数は様々ですが、目安としては以下の通りです:
- 赤ら顔・酒さ(顔全体の赤み): 5~10回程度
- 毛細血管拡張症: 1~5回程度
- 単純性血管腫(赤あざ): 子供で約3回、大人で4~10回程度
- 乳児血管腫(いちご状血管腫): 数回(症状により異なる)
- 老人性血管腫(赤いほくろ): 1~2回程度
- 静脈湖: 1~2回程度
治療間隔は、保険診療の場合は約3ヶ月おき、自由診療(自費治療)の場合は2~4週間おきに照射するのが基本です。自費の場合は肌の回復を見つつ月1回ペースで通っていただくことが多く、保険の場合は規定に沿って少しゆっくりしたペースになります。治療を重ねるごとに赤みが薄れていくのを実感できますが、症状によっては完全に消し去るまで長期のケアが必要なケースもあります。医師が経過を見ながら適切なタイミングで照射を行い、効果を最大化できるようスケジュールを組みますので、焦らずじっくり取り組んでいただければと思います。
Vビーム・ノーリスの費用と保険適用について
料金は保険診療か自由診療か、照射範囲や回数によって異なります。上記のように毛細血管拡張症、単純性血管腫、乳児血管腫など医師が「保険適用の症状」と判断した場合、Vビーム治療に公的医療保険が適用され、患者様の自己負担は原則3割です(自治体の助成により小児は自己負担なしになるケースもあります)。一方、赤ら顔(酒さ)や美容目的の赤み改善は保険適用外となるため自由診療での対応となります。当院では初診時に症状を診断した上で、保険診療の可否や治療にかかるおおよその費用をご案内いたします。不安な方は事前にお気軽にご相談ください。
A. 照射時の痛みは軽度で、輪ゴムで軽く弾かれる程度と表現されます。個人差はありますが、ほとんどの方が麻酔なしで耐えられる範囲です。Vビームには冷却機能があり痛みを和らげますが、心配な場合は事前に麻酔クリームの塗布も可能です。
A. ノーリス(IPL)の場合、施術直後にわずかな紅斑が出る程度でほとんどダウンタイムはありません。Vビームの場合、照射部位が数時間から数日赤くなることがあります。強い出力で照射した際は内出血が生じ、紫斑が消えるまで1~2週間ほど要することもあります。ただし顔全体へのマイルドな照射では内出血は起こりにくく、大半の方はメイクで隠せる程度の軽度の赤みのみで日常生活を送れています。
A. 症状の種類と程度によります。例えば、顔全体の赤ら顔(酒さ)の改善には5~10回前後の継続治療が推奨されます。一方、小範囲の毛細血管拡張や小さな血管腫であれば1~数回の照射で目立たなくなるケースも少なくありません。初診時におおよその回数をお伝えしますが、途中で効果の出方を見ながら治療計画を調整することも可能です。
A. 患者様の赤みの原因や肌質に応じて医師が判断しますが、一般的には集中的に治したい濃い赤みや太い血管にはVビーム、広範囲にぼんやりした赤みや敏感肌にはノーリスを優先する傾向があります。例えば、点状の血管腫にはVビームで確実にアプローチし、顔全体の赤ら顔にはノーリスでマイルドに改善するといった具合です。当院では両方の機器を揃えておりますので、一人ひとりに合った最適な治療法をご提案できます。
A. はい、いくつか注意点があります。施術当日は入浴や飲酒、激しい運動は避けてください。照射部位を擦ったり刺激を与えないようにし、清潔を保ちましょう。照射後一時的にほてりを感じる場合は、冷えたタオルで優しく冷やすと楽になります。また紫外線は色素沈着の原因となるため、治療期間中は日焼け止めの使用や日傘の活用など紫外線対策を徹底してください。医師から指示された軟膏や外用薬がある場合は、忘れずに塗布してください。これらを守っていただければ、副作用を予防しつつスムーズな回復が期待できます。
赤ら顔や血管の目立ちにお悩みの方は、大阪で赤ら顔レーザー治療を行う当院にぜひご相談ください。Vビームとノーリスという2種類の機器を駆使し、症状に合わせた最適な治療で皆様のお肌のお悩み解消をお手伝いいたします。